インターネットが「なんか遅い」「ゲーム中にカクつく」そんなときに原因として挙げられることの一つが「MTU」の設定です。
ちょっとマニアックな用語にも見えますが、意外と身近で、調整することで通信の安定性がアップすることも。この記事ではMTUについてやさしく解説していきます。
MTUとは?かんたんに言うと…
MTU(Maximum Transmission Unit)は、日本語で「最大転送単位」と呼ばれるもので、ネットワークを通じて1回に送れるデータの最大サイズのことを指します。
- 単位は「バイト(Byte)」
- 一般的なMTUの初期値は「1500バイト」が多い
MTUは、送受信の際に「これ以上は一度に送れませんよ」という上限サイズのようなもの。この値を超えるデータは**複数に分割(フラグメント化)**されて送られます。
ラグや通信不安定の原因に?
MTUが適切でないと、通信中にデータの分割や再送が多発し、遅延(ラグ)やパケットロスの原因になることがあります。
よくある影響
状況 | 起きうる問題 |
---|---|
ゲームでラグが発生する | パケットが分割・再送されることで遅延 |
動画が途中で止まる | 再送が多発して通信が不安定になる |
Webページの読み込みが遅い | 断片化で速度低下 |
特にオンラインゲームやリモートデスクトップなどリアルタイム性が求められる通信では、MTU値の設定がシビアになります。
MTUの最適な値っていくつ?
基本は「1500バイト」が標準値とされますが、環境によってベストな値は変わります。
よく使われるMTUの値の例
通信種別 | 推奨されるMTU値 |
---|---|
有線LAN(Ethernet) | 1500 |
PPPoE接続(IPv4) | 1454前後 |
IPv6のPPPoE | 1492 |
PPPoE接続(マンションなどのインターネット)では、ヘッダーの影響でMTUが小さくなることがあり、1500のままだと分割されてしまいます。
MTUを調べて変更する方法(Windowsの場合)
- 現在のMTU値を調べる
コマンドプロンプトで以下を実行:netsh interface ipv4 show subinterfaces
- 変更するコマンド例
たとえば1454にしたい場合:netsh interface ipv4 set subinterface "イーサネット" mtu=1454 store=persistent
※設定前に現在の回線方式やルーターの仕様も確認しておくのがベストです。
まとめ:MTUが通信のスムーズさを左右する
MTUの設定は、普段意識しにくいものですが、通信速度や安定性を左右する重要なポイントです。特にオンラインゲームやリモート作業をしているなら、見直す価値あり。
「なんか重い」「通信が安定しない」というときは、MTUの最適化もぜひ選択肢に入れてみてください。
💡 FAQ
Q. MTUは大きければ大きいほどいいの?
A. 一概にそうとは限りません。大きすぎると途中で分割され、逆に効率が落ちることがあります。
Q. スマホやWi-FiでもMTUは関係ある?
A. はい、関係あります。ただし、スマホなどはOSやルーターが自動で調整することが多いです。
Q. MTUを変更して失敗することはある?
A. 不適切な値にすると接続できなくなることもあるので、元の値を控えてから変更しましょう。
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